墨流し染めの歴史は古く1200年前の平安時代、貴族が和歌をしたためるために使われていました。
また、現在でも”水に墨(くろ)を流す”と”苦労を水に流す”をかけた意味合いから縁起をかついだ紋様とされています。
墨流し染めは水面に浮かした墨汁で波紋状の模様を作り、それを布に転写して染め上げる技法です。
現在は墨ではなく顔料を使用し、様々な色彩で染めることが可能になっております。
墨流し染めで生まれる紋様はその時々の加減などで異なるため世界で1枚だけの柄が出来上がります。

きものの日とは全日本きもの振興会が、昭和41年に11月15日に制定しました。
きものの日を制定することになったいきさつは、昭和39年の東京オリンピックに、東京を訪れた世界各国の人々から「日本の民族衣裳は"きもの"だと思っていたが、きもの姿をほとんど見かけないのは何故か」との声を受けたことだと言われております。
今日ではきものを着ることはハードルの高いものとして考えられておりますが、気軽に着られて人々の生活になじみのある存在になれるよう、努力していかなければならないと思っております。
"きものの日"前後は「七五三詣り」など、きものに因んだ企画や行事が、毎年全国各地で盛大に展開されてきています。
こうした行事やイベントなどで少しでもきものに触れ、良さを知っていただければ幸いです。日本には素晴らしい伝統行事ときものという伝統衣裳があり、その伝統が大勢の人々に親しまれ普及発展することを念願しています。
弊社でオリジナル本加賀友禅訪問着を作ってくださっている本加賀友禅作家の松井眞夫氏をご紹介させて頂きます。
松井氏は1967年に加賀友禅作家嶋達男氏に入門し、その後独立。1978年の第1回伝統加賀友禅工芸展にて金賞[秋明]を受賞し、その後も多くの賞を受賞してきました。2009年には加賀友禅伝統産業工芸士と認定され、また、石川県指定無形文化財技術保持者でもあります。
松に北前船
銀杏の芽吹き
松井氏は花鳥風月の中で風景を切り取った作品が数多く有ります。また、生地からこだわり、色使いや風合いが優しいところも特徴のひとつです。全てご自身で作業されており、一点一点心をこめて制作されております。世界で一枚しかない貴重な作品です。
先日、小森織物様を訪問する機会に恵まれました。
小森織物様の一階には織機があり、カシャンカシャンと帯を織っている音が響いていました。その心地よい音を後にし、お邪魔させて頂くと、数多くの華やかな帯を見ることが出来ました。
小森織物様は明治25年に先々代が帯屋を起業したのが始まりで、その後、二代目により事業を拡大していきました。数多くあるヒット商品の中でも「寿恵利」「双重布久路」の二つの商標登録ブランドは、現在までもロングセラーを続けている商品です。
デザイン・色彩・原材料にこだわるのはもちろんのこと、お客様に喜んで頂ける帯を日々作り続けているそうです。長年の経験・技術・歴史とともにお客様に良いものを届けるという強い気持ちを感じられました。