むらさき乃庵・螺鈿

今回は螺鈿の帯についてご紹介します。

 

 まず、螺鈿とは伝統工芸に用いられる装飾技法のひとつで中国・韓国・東南アジアから日本に伝わったといわれています。螺は貝、鈿はちりばめることを意味しています。貝殻の内側、虹色光沢を持った真珠層の部分を切り出した板状の素材を、表面にはめ込む手法、またはその手法で作られた工芸品を螺鈿と言います。
 使用される貝は、夜光貝、白蝶貝、黒蝶貝、青貝(カワシンジュガイ)、アワビ、アコヤガイなどが使われ、はめ込んだ後の貝片に更に彫刻を施す場合もあります。

 

 西陣帯では螺鈿を早くから取り入れ、西陣帯の特徴である引箔の技法を使っています。貝殻を軟加工し、一ミリ以下の幅に裁断したものを緯糸として織り込んでいます。帯に織り込まれた貝の持つ輝きが映し出され、大変美しいです。

 帯の柄は古典柄と最近は犬や猫などの可愛らしい柄も増えてきました。

 

 

 

2017年03月15日